◆有機栽培で使う肥料の種類
堆肥は植物質堆肥と動物質堆肥の2種類があります。
【完熟した堆肥】
(動物質堆肥)発酵牛糞、発酵鶏糞、発酵豚ぷん、発酵馬糞
(植物質堆肥)腐葉土、バーク堆肥、もみ殻堆肥、落ち葉堆肥、雑草堆肥、
【有機質肥料】未発酵の有機肥料
油かす、魚粉、骨粉、米ぬか、有機石灰、草木灰など
【ボカシ堆肥】
有機質肥料を養分バランスを考えブレンドして、水を加えて発酵させた肥料。
ホームセンターに行くといろいろな種類の肥料が販売されています。堆肥を選ぶ際に注意したいのが、未熟堆肥を購入して畑にまいてしまうことです。
質の良い完熟堆肥は、無臭で湿り気もなく安心して畑に利用することができます。
未熟堆肥を畑の土に入れると、
微生物が分解
未熟堆肥をそのまま畑にすき込んでしまうと、病気や害虫が増えたり、土の中で発酵が始まって窒素分が失われ、発酵熱やガスが発生して窒素飢餓になり根を痛めてしまいます。
未熟堆肥の見分け方
未熟堆肥の見分け方としては、臭い(家畜糞尿臭、アンモニア臭、腐敗臭など)・色・湿りぐあい(湿っている、ベトベトしている)・価格(同じ種類のモノと比較して安いなど)などあります。
完熟している堆肥は、ほぼ無臭、もしくは土の香りがします。
堆肥や有機質肥料の種類
堆肥は植物質堆肥と動物質堆肥があり、
植物質堆肥は土壌改良効果が高く、動物質堆肥は肥料効果が高くなります。
植物質堆肥 | 肥料効果(1~5評価) | 土壌改良効果(1~5評価) |
腐葉土 | 1 | 5 |
落ち葉堆肥 | 2 | 4 |
バーク堆肥 | 2 | 4 |
もみ殻堆肥 | 2 | 3 |
雑草堆肥 | 2 | 3 |
動物質堆肥 | 肥料効果(1~5評価) | 土壌改良効果(1~5評価) |
馬糞堆肥 | 2 | 4 |
牛糞堆肥 | 3 | 3 |
豚ぷん堆肥 | 3 | 3 |
ボカシ肥(米ぬか、油粕、魚粉、骨粉、もみ殻、もみ殻燻炭、草木灰などブレンド) | 3 | 3 |
鶏糞堆肥 | 5 | 1 |
有機質肥料
万能なボカシ肥料の作り方
ボカシ肥料とは、有機質肥料に水を加えて微生物に発酵させた肥料のことです。
嫌気発酵と好気発酵の2通りのやり方があり、嫌気発酵は空気に触れさせずに発酵する方法で、好気発酵は空気に触れさせる発酵方法になります。
ブレンドする有機質肥料によって成分比は変わってきますが、元肥と追肥に使える万能タイプを作っておくと便利です。
化成肥料を使うことで、微生物が減り畑はやせていく化学肥料は
◆化成肥料
メリット
・肥料の効きが早い(作物が成分を吸収しやすい)
・成分量が明確なので、初心者でも施肥量がわかりやすい
デメリット
・持続性は低い
・土壌改良効果はない
・微生物が減り、土壌はやせていく
・作物の根の張りが悪くなる
◆完熟堆肥や有機質肥料
有機肥料は土の中の微生物の餌となり、微生物が分解することで
メリット
・肥料の効きがゆっくりで長く続く
・微生物の餌になるため、種類が増え土壌が豊かになる。
・有機で土づくりを継続していくと、少ない肥料で作物が育つようになる
デメリット
・肥料の効きが遅い
・未熟堆肥のまま土に入れてしまうと、一時的に窒素飢餓を起こしやすく、発酵過程で熱やガスが発生して根を痛めてしまったり、病気や害虫が増えてしまう可能性あり(完熟堆肥を利用することでこの問題は解決できる)
◆有機栽培で肥料を施す時期や量
完熟堆肥や有機質肥料、ボカシ肥料などをどのタイミングで畑に施し、どれだけの量が必要なのでしょうか?
【元肥として使う場合の目安】
時期:3週間前
量:1㎡あたり3ℓ(約2㎏)
*粘土質の土の場合は量を抑え、砂質の畑は多めの量を調整する。
(新規で畑をする場合)
植物質堆肥と動物質堆肥を合わせて1㎡あたり10ℓ前後(5~7㎏)を目安。
【追肥としてボカシ肥料を使う場合】
時期:育てる作物により違いがありますが、
基本は植え付けから1~2週間後に1回目の追肥をします。作物によって2回目の追肥をする場合は、1~2か月後に施します。
植えた野菜から30cm離れた場所に
15cmの深さで
軽くひと握り(30~50g)の肥料を埋めておく。
ボカシ肥料に水を加えて即効性のある液肥を作っておくと追肥には便利です。
液肥は即効性があり、1週間ほどで効果が出てきます。
コメント