じゃがいもは、1年に春と秋の2回植え付けすることができます。このページでは、秋植えのやり方からコツや注意点など詳しく解説していきます。
◆秋植えジャガイモの栽培時期
【植え付け時期】
〇暖地 9月上旬~
〇中間地 8月下旬~
〇冷涼地 ー
【収穫時期】
約3か月ほどで収穫できます。
〇暖地 12月上旬~
〇中間地 11月下旬~
〇冷涼地 ー
◆秋植えジャガイモの品種
秋植えジャガイモは、品種選びも重要です。出芽が遅れてしまうと、寒さや霜でせっかく育てたジャガイモが枯れてしまうこともあります。休眠の短い品種を選びます。
品種 | 休眠期間 | 特徴 |
デジマ | やや長い | ホクホク感とねっとり感の中間 |
ニシユタカ | 短い | ねっとりした食感で煮崩れしにくい |
ドラゴンレッド | ー | でんぷん価が高く、ホクホクした食感 |
アンデス赤 | 短い | カロテノイドが豊富で、加熱するとホクホクした食感 |
◆コンパニオンプランツ
ジャガイモ栽培でおすすめのコンパニオンプランツです。
コンパニオンプランツ | 病気予防 | 害虫除け | 生育促進 | |
じゃがいも | ネギ類 | 〇 | ー | ー |
アカザ、シロザ | 〇 | 〇 | 〇 | |
ギシギシ | 〇 | 〇 | 〇 | |
セロリ | ー | ー | 〇 | |
サトイモ | ー | ー | 〇 |
◆ジャガイモの土づくり
土壌酸度目安 | 5.0~6.0 |
連作障害 | あり |
生育適温 | 15℃~24℃ |
ジャガイモは水はけがよく酸性の土壌を好むため、粘土質の場合は畝を高めにして水はけをよくします。
肥料についてですが、基本的にジャガイモは少ない肥料で育ちます。低栄養の土壌を好み、多肥(たひ)の場合はジャガイモが肥大しにくくなります。
元肥として、3~4週間前から有機肥料(米ぬかなど)をいれ耕して準備します。
自然栽培であればあまり気にする必要はありませんが、土に石灰をまいている場合は、pH7.0以上になってくると「ソウカ病」が発生しやすくなるので注意してください。
◆芽出し(植え付け前の準備)
事前に芽出しをしておくことで、発芽率と生育が良くなります。
植え付け予定の2~3週間前に、穴の開いたトロ箱や発泡スチロール箱などに川砂や水はけのいい培養土をいれ、土を軽く湿らせ、種芋を重ならないように並べ、5cm程度土をかぶせます。雨や直射日光のあたらない日陰で涼しい場所に保管します。
◆じゃがいもの植え付け
秋植えの場合は、タネイモを切らずに植え付けます。
春植えと違い、まだ暑く畑の温度も高いので微生物が活性化していて、タネイモを切ってしまうと腐りやすくなります。
株間 | 30cm前後 |
条間 | 40~50cm前後 |
深さ | 10cm前後 |
畑の畝の幅にもよりますが、基本として株間30cm前後、条間40~50cm程度。
10cm程度の穴を掘り、種芋を入れ、5cm程度土をかぶせます。
◆芽かき
ジャガイモは芽かきをすることで、養分の分散を抑え1つ1つのイモを大きく育てることができます。芽かきをしなくてもじゃがいもはできますが、1つ1つが小さくなってしまいます。
草丈が10cm~15cm程度伸びたら芽かきのタイミングです。
生育の良い芽を2本~3本ほど残すのが一般的です。
◆追肥
秋植えのジャガイモの場合は、元肥の段階で肥料を加えていれば追肥をしなくても十分育ちます。
瘦せた畑であれば、芽かきのタイミングや土寄せのタイミングで追肥を行います。追肥は株元から10cmから15cm程度離してまきます。
◆土寄せ
土寄せは2回行います。
じゃがいもは地表近くに作られるため、土寄せをしないとイモが土から出て、日光に当たることで緑化してしまいます。緑化してしまうと有毒なソラニンが生成されるので、食べることができなくなります。
1回目は、草丈が10cm~15cm程度伸びたころ(芽かき時のタイミングでもOK)に、株元に5cm~7cm程度土寄せします。
2回目は、草丈が30cm程度伸びたころに、株元に5cm~7cm程度土寄せします。
◆ジャガイモの収穫
収穫期間は約3か月(90日~100日)。
じゃがいもの葉が黄色くなり茎が倒れ、地上部分が枯れてきたらいよいよ収穫時期になります。
2~3日連続で晴れた日に土から掘り上げ、できるだけイモを傷つけないように収穫しましょう。
◆じゃがいもの保存方法
じゃがいもを長期保存する場合は、連続で晴れた日に完全に地上部分が枯れた段階で収穫を行い、イモを水洗いしないようにしてください。
土を軽くはらって畑で30分ほど干して、涼しい場所(15℃ほどの暗所が好ましい)で保管します。
◆害虫対策
害虫 | 被害 | 対策 |
テントウムシダマシ(オオニジュウヤホシテントウムシ) | 見た目はテントウムシに似ていますが、オレンジ色の体に黒い斑点の数が多いのが特徴。放っておくと葉の裏に卵を産み付ける。葉の表皮を残しながら裏側から食べる。 | 気づいたらこまめに駆除して、防虫ネットなども効果的。 |
アブラムシ | 植物の汁を吸いダメージを与えたり、ウィルスなどを運んできます。 | 光を嫌う習性あり。風通しを良くして、作物に余分な肥料を与えすぎない。割りばしなどにテープを巻き付け駆除。トウガラシ、酢、ニンニク、デンプンなどを水で薄めて散布する。忌避剤(ニームオイルなど)を散布する。 |
◆じゃがいもの病気
病気名 | 特徴 | 対策 |
モザイク病 | ||
ソウカ病 | ||
ヨトウムシ |
自分で野菜を育てることで、成長する楽しみ、収穫する喜びを感じられ、なにより同じ野菜なのにスーパーで購入するモノとは美味しさが全く違うことに驚きます。庭のちょっとしたスペースでも栽培を始めることができるので、ぜひチャレンジしてみてください。
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